コロナショックを乗り越えるユニークなアイディア 宿泊施設の8事例

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月7日に「緊急事態宣言」が行われました。対象は東京など7都府県。5月6日までの1か月間、人との接触を削減するため強く外出自粛を求められています。

長引く自粛に大きな打撃を受けているのが、観光業。稼働率が極端に落ち、存続すら危ぶまれる宿泊施設も多発しています。ウイルスの収束時期はまだ見えず、これまで通りのサービスを提供するだけでは経営が逼迫するばかり。そんな中、独自のアイディアで活路を見出そうとする宿泊施設もあります。今回はユニークな事例を8つ、ご紹介いたします。
※写真は全てイメージです

【作業スペースとして対応】

①「鳳明館 森川別館」の『文豪缶詰プラン』

東京都文京区の老舗旅館「鳳明館 森川別館」が販売した『文豪缶詰プラン』は、即日完売の大好評企画となりました。

旅館があるエリアは、かつて100軒以上の旅館が集まった旅館街。森鴎外など名だたる文豪が旅館に泊まり、執筆や編集をした場所でもあります。地域の特性を活かし、「鳳明館 森川別館」は宿泊者が“自分も文豪になったような気分”を味わえるプランを販売しました(販売は終了)。
編集者役のスタッフから“進捗コール”を受ける、文豪の逃亡を防ぐ“見張り役”を付ける、などユニークなオプションも豊富。旅館スタッフの出入りは無し・消毒・編集者役スタッフのマスク着用など、ウイルス感染防止対策も徹底。3月14日に販売をはじめたところ、すぐに予定数が終了したとのこと。
参照)https://www.homeikan.com/bungo-2020

②「IMPREST STAY Tokyo Kamata」「apartment SUN BRIGHT」のオフィス利用プラン

東京都大田区・品川区で宿泊施設を運営するエイムズ株式会社は、「IMPREST STAY Tokyo Kamata」「apartment SUN BRIGHT」のオフィス利用プラン販売をはじめました。

これは、現在ニーズが急上昇している「テレワーク」、「リモートワーク」需要に応えたもの。自粛要請に伴い導入企業が増えましたが、ネットワーク環境や集中できる空間整備が必須。環境が整わない中で無理に導入することにより、生産性低下が懸念されています。
このような状況を受け、エイムズ株式会社は運営する宿泊施設のオフィス利用プランを開始しました。室内では無料高速Wi-Fiを使うことができるほか、キッチン・トイレ・バスルームも完備。長時間利用も快適に過ごすことができます。
最大収容人数は6~8人、Weeklyプラン(5日)が4万円とリーズナブルに利用できるのも嬉しいポイントです。
参照)https://www.atpress.ne.jp/news/208671

【未来の宿泊券販売】

③「旅館大村屋」によるお得な利用券『Ticket To Stay』

佐賀県・嬉野温泉の「旅館大村屋」は新型コロナウイルスの影響でキャンセルが相次ぎ、新規の予約もほぼ取れない状況となりました。宿の存続・スタッフの生活が危うい状態となったことを受け、有効期限2年のお得な利用券を販売開始しました。

通常は有効期限半年のところ、コロナが落ち着いてからゆっくり来れるよう、期限は2年に設定。宿泊・日帰りどちらでも使うことができるほか、飲食やお土産で利用できるクーポンもついてきます。
10万円分の利用券を購入すれば、クーポンはなんと1万円分。先に利用券を購入しておくことで、収束後にお得に滞在を楽しむことができます。
参照)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000053844.html

④「Q Stay and lounge上野」による『少し先の宿泊券』

東京都東上野のホステル「Q Stay and lounge上野」は、購入者が好きなタイミングで施設を利用できる『少し先の宿泊券』を特別価格で販売することを発表しました。

このホステルがオープンしたのは、1月20日。これから、というタイミングで新型コロナウイルスの蔓延やオリンピック延期の決定があり、稼働率は10%以下まで落ち込んでしまいました。
「今は自由に旅行に行けなくとも、コロナウイルスの脅威が去ったら泊まりに来てほしい」、という思いを込め、通常より大幅割引をした宿泊券を考案。期限は2020年12月末までで、“好きなタイミング”で使用することができます。
近い将来に東京での予定が入る人にとっては、かなりお得に宿泊ができるプランとなっています。
参照)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000051885.html

【地元向け特別プランの販売】

⑤「沖縄ツーリスト」による『地元宿泊プラン』販売

沖縄では4月8日、玉城デニー知事による「緊急事態宣言期間中の来島自粛」要請が出されました。新型コロナウイルスの影響で観光客が減少する中、いち早く動き出したのが沖縄旅行のツアー専門店「沖縄ツーリスト」。
県内観光を促進し経済を立て直すきっかけをつくりたい、と、3月中旬から『地元宿泊プラン』の販売を始めました。

このプランを使えるのは、沖縄在住者だけ。県外観光客を積極的に誘致できない現状を受け、期間限定で地元向けプランを作ったとのこと。少しでも消費につなげるため、すべてのプランに食事がついているのが特徴。
「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」や「ホテルムーンビーチ」など、複数のリゾートホテルが参画しています。
参照)https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1088682.html

⑥「スズキゲストハウス」の『お昼寝プラン』

京都・二条城近くのスズキゲストハウスは、近所の方が利用できるサービスとして「お昼寝プラン」を販売しています。

このゲストハウスは外国人利用者が多かったため、新型コロナウイルスの影響をもろに受けることとなりました。元は宿泊客向けのサービスのみ行っていたのですが、これを機に“近所の方が利用できるサービス”として作られたのが『お昼寝プラン』。
2時間ベッドを利用できるだけでなく、ドリップコーヒー・アイス・銭湯入浴券がついています。さらに、フリースペースではWi-Fiも使えるためコワーキング利用も可。また、看板犬のポメラニアンと遊べるというオプション付き。
価格はなんと1500円。これまではサービスを提供できなかった地元の方に向けたプランを販売することで、あらたなニーズ発掘に繋がりそうです。
参照)http://urx.space/wROd

その他取り組み

⑦「てしま旅館」の『VRてしま旅館&福ふく会席』

山口県・阿知須温泉の「てしま旅館」も、新型コロナウイルスの影響でキャンセルが多発。「お越しください」とはなかなか言えない状況の中生まれたのが、『VRてしま旅館&福ふく会席』プラン。

このプランは、自宅に居ながら旅館のサービスを疑似体験、さらに本格会席を食べられるというもの。
温泉やお部屋の様子をシチュエーション毎にVR体験(YouTube配信をVR用ゴーグルで視聴)できるほか、名物のふぐ会席(鉄刺、身皮焼き、てっちりなど)を自宅で調理し食べることができます。
自宅にいながら旅館気分を味わえる、新感覚のプランです。
参照)https://teshimaryokan.com/vr-fuku/

⑧「箱根リトリートfore & villa 1/f」による『プライベートステイ』

神奈川県・箱根温泉にある「箱根リトリートfore & villa 1/f」は、新型コロナウイルスへの不安で疲弊した方に向け『プライベートステイ』プランを販売しています。

このプランは、4つの“プライベートサービス”が特徴。

①ヘリコプターやハイヤーを使った“プライベートアクセス”
②部屋でチェックインできる“プライベートチェックイン・チェックアプト”
③お部屋で食事ができる“プライベートルームサービス”
④免疫を高める質の良い睡眠ができる“プライベートスパトリートメント”

自宅からお部屋までプライベート空間で移動できるほか、現地でもほぼ人と接することなくステイが可能。ターゲットを絞ったプラン販売は、収束後のリピートにもつながっていきそうです。
参照)https://www.atpress.ne.jp/news/208487

デイリー・インフォメーションより 宿泊施設向け『ウイルス対策の見える化バナー』

デイリー・インフォメーションでは、観光業界の皆様と一緒に“コロナショックを乗り越えるアイディア”も考えていきます。最初の取り組みとして、宿泊施設向けに『ウイルス対策の実施内容』を見える化するアイコンを作成いたしました。

消毒やマスク着用、検温といった衛生面の取り組みはもちろん、部屋食、ビュッフェ廃止などサービス面の取り組みまで、アイコンは全10種。下記URLよりダウンロードできますので、ご自由にお使いください。(アイコンは無償でご利用いただけます)

【利用例】
・HPに掲載
・印刷して施設内に掲示
・チラシやポスター等、制作物に掲載

▶アイコンダウンロード https://www.din-group.co.jp/pradime/catalog_detail.php?c_no=153

以下資料も合わせてダウンロードできます。

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