SNS時代の新しい購買行動モデル『SEAMS®』を理解して、観光業・宿泊業・飲食業・地方自治体の観光情報発信にどう活かす?

電通は2023年3月、情報回遊時代の購買行動モデルを発表しました。
SNS時代の変化を捉えた新たな購買行動モデル『SEAMS®』に注目です。


飲食店や旅館ホテルなどの観光産業の魅力発信とって、SNSプラットフォームは無視できない存在となっています。SEAMSは、現在のSNS時代における新しい購買行動モデルです。

最大限に活用するための戦略的なアプローチを踏むためのステップとして、解説をしていきます。

ユーザーのエンゲージメントを高めつつ、商品やサービスの魅力を的確に伝える手法を、効果的なコンテンツ戦略と顧客との双方向のコミュニケーションを通じて、ブランドの認知度向上と顧客のロイヤリティを強化を実現します。

SEAMSを理解することで、旅行・グルメのコンテンツに新たな道が開けることでしょう。詳細はぜひご一読ください。

※SEAMS®は、株式会社電通の登録商標です。


目次

プロモーションはSNSを活用することに興味を持っている!

弊社が独自調査したアンケート調査では、興味あるプロモーション施策にSNSが比率が一番高く、全体の約2/3の割合となりました。

対象は弊社のお客様となりますので、観光業(地方自治体、観光協会、宿泊業、飲食業、小売業など)の宣伝御担当者様が、現在SNSに興味を持っている結果となりました。


そのうち、インフルエンサーをキャスティングすることに興味がある

そのうち、インフルエンサーをキャスティングすることに興味があると回答した方は半数近くの45%でした。

地方の観光に携わる業態に関しても伝統的なマスメディアだけの発信ではなく、インフルエンサーを起用したユーザー発信のプロモーション手法を採用し始めています。

では実際に活用するために、SNSの利用状況についての現状データを、次のパートでご覧ください。

SNS時代の現状について

電通の調査によれば、2023年時点で95%の日本人がスマートフォンを所有し、SNSの利用も増加中という結果になりました。

主に使用されているのは、Instagram、Facebook、TikTok、Twitter、YouTubeであり、いずれかを利用する人は85%に達しています。

これにより、個人は容易に情報収集が可能となり、スマートフォンとSNSは企業と生活者の重要な接点となっております。

この変化は消費者の購買行動にどのような影響を与えるか。これを検討するため、過去の消費者の購買行動モデルが時代の変化にどのように適応してきたかを見てみましょう。

スマホの所有は年々上昇

2010年所有率は4%程度だったが、現在は96%を超えるまでとなりました。

※引用:モバイル社会研究所 2023.04.10「スマートフォン比率96.3%に:2010年は約4% ここ10年で急速に普及)」


LINEが最も利用率が多く、続いてTwitter

・LINEはどの世代も活用
➡10代~60代での使用率は8割超え

・Tiktokは10代は4割越え
20代~30代も増えてきている。

・Facebookは30代はピークに10代~20代は使用率は低くなっている。

※引用:モバイル社会研究所 2023.04.17「LINE利用率83.7%:10~60代まで8~9割が利用





年代別使用状況

・LINEはどの世代も活用
➡10代~60代での使用率は8割超え

・Tiktokは10代は4割越えだが、
20代~30代も増えてきている

・Facebookは30代はピークに
10代~20代は使用率は低く
なっている

※引用:モバイル社会研究所 2023.04.10
「LINE利用率83.7%:10~60代まで8~9割が利用」

従来の購買モデル AIDMA・AISASについて

それでは実際にどのように消費者が購買に行動に移るのか、マーケティングでの消費者モデルAIDMAとAISASについて詳細を見ていきましょう。

※AISASは株式会社電通の登録商標です。

商品やサービスを広める際に、AIDMAとAISASは重要なステップです。AIDMAは「気づき」「関心」「欲望」「記憶」「行動」を指し、顧客の心の動きを表現します。

一方、AISASは「気づき」「関心」「検索」「行動」「共有」の順で進み、顧客の購買までのプロセスを捉えます。

この二つのアプローチは、消費者の心理や行動を理解し、効果的なマーケティング戦略を構築するために役立ちます。

AIDMAの法則

AIDMAは購買行動の理解に役立つフレームワークで、Attention・Interest・Desire・Memory・Actionの5つの要素から行動変容していきます。顧客の心理や行動を示し、顧客の購買決定プロセスを特定し、適切な施策を展開するのに役立ちます。

Attentionで注意を引き、Interestで関心を持たせ、Desireで欲求を刺激、Memoryで記憶に残し、Actionで具体的行動に結びつける。
個々の要素を把握することで、ターゲットに合わせた戦略を展開するのに参考となるモデルです。

AISASの法則

インターネット時代に対応してAIDMAの進化版として登場しました。

AISAS にはインターネットの影響力に合わせた重要な検索フェーズと共有フェーズが含まれています。

AISAS は、消費者の注目と関心を集めた後、製品情報を独自のインターネットで「検索」することを考慮に入れています。その後、消費者はこれらの調査結果に基づいて「アクション」(購入)を行い、最後にソーシャル メディアを通じて体験を「共有」し、オンラインとオフラインの領域のギャップを埋めます。

検索エンジンを使用して製品を調べ、十分な情報に基づいて購入し、Twitter や Facebook などのプラットフォームでレビューを共有するという一般的な習慣を考慮すると、AISAS は相互接続されたデジタル時代における現在の消費者の行動を反映しています。

新しい購買モデル 『SEAMS 』の解説

「SEAMS」は、無目的で無意識の情報回遊が購買行動の入口となる新しいモデルです。
インターネットの情報過多により、アテンション獲得と情報接点の争いが激化しています。
ザッピング行動はテレビからスマホへと変化し、目的のないスマホ行動が増加しています。
特に若者はサーフ時間が多く、これを基にしたSEAMSモデルが提唱されました。

情報回遊の時代!SEAMS(シームズ)

スマートフォンの目的のある行動と目的のない行動にがあり、スマホ行動は検索と回遊に分類されます。

特に若い人は回遊に多くの時間を費やす傾向があり、回遊を基にした購買行動モデル「SEAMS」というSNS新時代の新しい概念が発表されました。このモデルには回遊、遭遇、受容、高揚、共有の段階が含まれます。

スマホ回遊中、インフルエンサーや友人の投稿などに遭遇し、それに受容を示すことで購買行動が促されます。
この受容は個人の信頼よりも人起点の信頼に基づいており、これは他人の経験や評価に基づくものです。
商品を購買した後、満足感や高揚感が得られると、商品関与が増加し、SNSで共有される可能性が高まります。

SNSは自己ブランディングの場となっており、モチベーションの高い商品が共有される傾向があります。SEAMS購買は、同調現象や関係性の影響など、SNSコミュニティの特性によって支えられています。例えば、関係性を保つために他人の意見に賛同するなどの行動が見られます。

SNSを通じた消費者心理変化

SNSの情報は、人々の考え方や行動に沿った特性があります。

検索やクリックの履歴に基づいて、個人の好みに合った情報が表示され、違う意見は見えにくいです。

自分の意見が肯定される場で自信が増し、他のグループには批判的になる傾向もあります。
SNSでは情報を回遊し、同意を得て、商品などに興味を持って、それを試して共有する過程があります。これがSNSの情報消費や行動に影響を与えています。

※参考:宣伝会議 2023.08発行
「無意識・無目的のザッピングのなかでブランドはどう形成されるのか?」を基に作成


※SEAMS®は、株式会社電通の登録商標です。







◆考察:宿泊業界だったら、このように推移する

それでは宿泊業界モデルに、消費者行動の変容を当てはめて、考察していきます。

回遊~おすすめは何かないかで、SNSをサーフィン中~

このパートでは、情報を掴んでいなく、知人や推しのフォローしているアカウントで何となく情報を、回遊しながら閲覧している。興味がないものは、すぐ飛ばすが、気になる内容は、閲覧時間が長いので、その類似情報が今後、レコメンドでも出現してくる。

SNSでショート動画をスワイプしてなんとなく閲覧➡友だちの良い体験動画を発見➡自分の登録や過去の閲覧履歴を基にレコメンドを、ユーザー毎表示される➡『あ!この旅館なんか気になる!!』というがデータとして蓄積➡遭遇へ



遭遇~目に留まるコンテンツ、施設の良さが最初につまっているか~

情報過多な時代の中で、ファーストインプレッションで良い印象を与えられなければ詳細をみてもらえない。

画像ならしずる感のある画像とキャッチコピー、動画であれば最初の3秒に施設の魅力が詰まっているかが勝負です。

その際に関係をしている事柄も必ず記載しているか。

例えば、弊社の事務所が上野なので、
『上野』『1,000円で飲み放題』『コスパ最強!』と、帰宅する前に閲覧したら、一杯飲んでいくか・・・となりえます。


旅行の場合、東京在住だから『伊豆 海鮮』、『栃木 いちご』
が自分の旅行先の候補として身近に感じてもらいやすいワードです。

一瞬で商品の魅力が伝わるしずる感があるか➡おすすめの旅行系列のアカウントが流れる➡たくさん宿泊している参考になる!➡受容





受容~憧れのあの人が泊っているなら~

受容をしていてく段階だと、『この人がおすすめと言っているなら』で受け入れを開始していきます。

旅館やホテルなどいくと、体験を複数のインフルエンサーや知人もしている可能性があるので、そこに遭遇すると、より距離がグッと近くなっていきます。

そこから、選択をする際に『このホテルなら間違いない!』という自信へ変わっていきます。


この人がいうなら➡複数のフォローしている情報を受容すると「この宿で間違いない」と変容していく➡素敵な体験談に心おどらせる➡高揚へ






高揚~実体験が周りから「イイね!」をもらい良いと再認識

実際に宿泊して、『憧れのあの人も泊まった』から『自分が泊って』という体験談に変容します。ここで、自身が発信をすることによって、似た価値観の方が改めて、自分の発信に『イイね!』をしていきます。

そうすると、自身の気持ちもどんどん高揚していく段階で、サービスに対して好意的になっていきます。

同じ価値観を持った別の知人が反響!➡このホテルで間違いなかった!➡この部屋はこうしたら快適!➡自分が発見したバイキングこのメニューが推し


共有~独自の意見を持った発信によって、再度イイねの獲得~

好意的な自分の考えとして発信。自身の投稿を価値観が近い方が閲覧をしているので、イイねがもらいやすく、オリジナルの発信も増えていき、共有をしていく。

認識をまわりから受けたことによってこのホテルが推しとなる!
➡オリジナルとっておきを自身で形成➡自分が知っているこの内容が良かった!



プライベート情報増での「イミ」消費を重視

『誰もが知っている』より、『知る人ぞ知る、私だけが知る』情報に価値を見出しています。
特に、若年層を中心に『私だけが知る』価値が高まっています。

 20代女性では、スマホからの情報接種はプライベート情報が7割強を占めるようになりました。
消費の時代は、「モノ」から「コト」へ、そして「イミ」に遷移してきています。

 イミ消費時代では、プライベート情報が優勢で、情報発信のイミにステータスを求める時代。ソーシャルメディア上で自分の立ち位置、ソーシャルステータスをつくることが、リアルライフの充実に直結するようなり、なりたい自分への理想像に向けての情報発信内容のイミを選別するように変容していきました。

プライベート情報増での「イミ」消費を重視

「イミ消費時代」は、個人のプライベート情報を元にした情報発信がステータスを示すトレンドとなっています。

※参考:宣伝会議会議 2023.08発行「無意識・無目的のザッピングのなかでブランドはどう形成されるのか?」を基に作成

旅行業界における『こじつけ』イミ消費のアイデアを考案! 

ソーシャルステータスを作るには?

情報発信するための、これなら『イミ消費につながるのでは?』を考案しました。
発信に自体に“これが間違い”というものはないので、多くのアイデアをストックしましょう。



限定、無料のオリジナルはワードして強い!

キャッチコピーは
『ネガティブワード』なのに
『ポジティブなサービス』が引きとなる

例)太ってしまう眠らせない怖いホテル

意外な切り口となるワードのギャップが受けていると推測。また自身でもオリジナルが出せる余地があると発信しやすくなる。

観光・グルメおける『SEAMS 』への1ステップ

各ステップで、気を付けるポイントと、活用すべきSNSプラットフォームは下記となります。

情報回遊の時代!SEAMS(シームズ)を理解して、自社のサービスへ展開しよう!

情報集はザッピングとなるので、商品・サービスの魅力は、最初の3秒で引きを出せるか。

縦型ショート動画が、現在SNSでは主流。

再生回数を伸ばすSNS、
多くの方に見てもらう活用すべきSNSとは

TikTok:おすすめ表示で、100人を視聴させて300回程の再生がされます。テーマを優先しておすすめでの視聴となるので、「旅」「グルメ」テーマに沿ってで視聴されます


Instagram:テーマ別のインスタグラマーが主流でUPをしている。
画像コンテンツではSNS利用率が多い。写真で知人に伝える目的も踏まえている。

SNS旅行系・グルメ系のインフルエンサー実績も多数ございます。

弊社では、旅行系インフルエンサー、グルメインフルエンサー、SNS広告運用などSNSまわりのプロモーションのお手伝いをしております。

お気軽にお問い合わせください。

※この記事は宣伝会議 2023.08発行「無意識・無目的のザッピングのなかでブランドはどう形成されるのか?」を参考、引用

以下資料も合わせてダウンロードできます。

新しい購買モデル『SEAMS®』を理解して、観光業・宿泊業・飲食業・地方自治体の観光情報発信にどう活かす?

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