【レジャー施設の成功事例から見る】
ターゲットを絞って来場客を倍化させる集客方法の秘訣

レジャー施設にとって重要な成果指標の一つである“来場客数”。昨今様々なコンセプトの施設が次々とオープンする中、来場客数を増加させることはそれほど容易なことではありません。そこで本記事では来場客数の増加に成功したレジャー施設の事例と、ターゲット別の集客方法のヒントをご紹介します。

レジャー施設の生命線となる来場客の増加

 遊園地や水族館、動物園などのレジャー施設にとって大切な指標の一つが“来場客数”です。入場料を設けているレジャー施設にとって、来場客数を増やすことが売上アップにつながります。
 ここで2018年9月に綜合ユニコム株式会社が実施した、全国のレジャー・集客施設を対象に行った最新の運営実績と集客動向に関する調査を見ていきましょう。「テーマパーク」「遊園地」「動物園」「水族館」ごとの集客ランキングは以下のようになっています。

 ▼テーマパーク部門(前年度比)
第1位:東京ディズニーランド・東京ディズニーシー /3010万人(+0.3%)
第2位:ハウステンボス /288万人(-0.4%)
第3位:サンリオピューロランド /198万人(+9.6%)

▼遊園地部門(前年度比)
第1位:鈴鹿サーキット /204万人(+1.6%)
第2位:よみうりランド /183万人(-4.7%)
第3位:ひらかたパーク /120万人(-0.7%)

 ▼動物園部門(前年度比)
第1位:東京都恩賜上野動物園 /450万人(+17.1%)
第2位:名古屋市東山動植物園 /260万人(+8.0%)
第3位:天王寺動物園 /173万人(+3.8%)

 ▼水族館部門(前年度比)
第1位:沖縄美ら海水族館 /378万人(+5.1%)
第2位:海遊館 /263万人(+10.5%)
第3位:名古屋港水族館 /222万人(+12.9%)

 集客ランキングから、動物園・水族館の集客が平均的に増加していることが分かりますが、その要因とは一体何でしょうか?次の章で成功事例とともに来場客数アップのヒントを見ていきます。

(参考元:全国レジャー・集客施設運営実績&動向調査|綜合ユニコム株式会社)

来場客数がアップしているレジャー施設の成功事例

(1)サンシャイン水族館の集客事例

 水族館の集客成功事例として、池袋にある「サンシャイン水族館」をご紹介します。先程の水族館部門のランキングでは惜しくも第4位となりましたが、来場客数197万人、前年度比+57.6%と、圧倒的な集客数の増加を叩き出しています。
 サンシャイン水族館といえば、2017年7月にリニューアルオープンした「天空のペンギン」が話題となりました。ビルやマンションに囲まれた立地からは、水族館特有の“非日常感”の演出がしにくい中、その逆境を逆手に取りサンシャイン水族館独自の特徴として売り出したのです。この取り組みによりインスタ映えするとメディア等で取り上げられ、来場客数のアップにつながりました。
 また、期間限定企画を定期的に行っているのもサンシャイン水族館の強みの一つと言えるでしょう。水族館などの施設は1回訪れたら満足してしまいがちですが、期間限定企画を開催することでリピート客も取り入れることができます。

(2)東京サマーランドの集客事例

 次にご紹介するのは「ナイトプール」で来場客数の増加に成功した東京サマーランドです。ナイトプールは2017年に大ブレイクし、引き続き好調を保っています。東京サマーランドはナイトプールを営業し、前年度比+15~16%と集客を増加させました。
 成功の要因として「日焼けの心配がない」「薄暗いため体型が気にならない」「イルミネーション+プールの組み合わせがインスタ映えする」などが挙げられ、主に女性からの支持を集めています。
 都心部のシティホテルでもナイトプールは非常に流行しており、立地的な面でビハインドがある東京サマーランドが成功した要因は、サマーランドならではのスケールを最大限に活用していることだと考えられます。プール自体のスケールも大変大きなものですが、それだけでなく、屋外プールの大きな噴水を活かしたナイアガラの滝とオーロラのスポットや、イタリア・カプリ島の青の洞窟をイメージした神秘的な青い証明に染まる地下の温浴プールなど、施設全体のスケールを上手く活かしたイベントになっていることが成功した理由の一つといえそうです。

来場客数アップの秘訣は“ターゲットをしぼること”

 来場客数を増加させるためには、目玉となる企画・イベントの実施や話題性なども重要ですが、その前にターゲットを明確にすることがポイントとなります。普段の来場客の属性の中から特に来場が多い層を狙っていくのか、それとも新しい層を狙っていくのか。ターゲットの選定は施設の立地場所や特徴などさまざまな項目を配慮し、設定することが重要です。更にそのターゲットとされる層に今流行していること、トレンドとなっていること等と親和性を高めたサービスやイベントを行うことが効果的です。上記2施設はどちらも「インスタ等のSNS」との親和性を高めたイベントを実施したことが、成功した要因の大きな一つと言えます。

ターゲットごとに異なる!それぞれに刺さるイベントを行うためのヒントと集客の秘訣

 ここではターゲット別オススメの集客方法のヒントをご紹介していきます。

ファミリー層

 ファミリー層にアプローチしたい場合、お子さんの年齢によって大きく変わりますが、お子さんが未就学児~小学校低学年くらいまでの場合、企画・イベントのテーマをお子様に興味を持ってもらえるものにします。例えばヒーローショーなどの催し物や体験型ワークショップなど「見てみたい」「やってみたい」を刺激するものが効果的です。また、子供の教育・知育に関する企画・イベントはお子様の両親へのアプローチとして最適です。

友人同士

 若年層のグループ、友人同士での集まりへのアプローチには、SNSの活用が効果的です。2016年頃から流行りだした「インスタ映え」に代表されるように、旅行と写真・SNSの親和性は引き続き非常に高く、最近では「チル(=リラックス・ゆったり等の意味)」や「エモい(=懐かしい、感傷的な等の意味)」等の表現でSNSを楽しむ若者が増えてきました。成功事例で紹介した施設もその流行を取り入れて来場客数を増加させていました。
SNSに投稿・拡散したくなるような企画・イベントの立案や写真撮影スポットの設置がポイントとなります。

カップル

 カップルへのアプローチには、訪れるためのきっかけを分かりやすく伝えることがポイントとなります。プレゼントや体験などのカップル限定の特典を付け、特別感の演出を行いましょう。

3世代

 シニア層の需要を取り込むために有力と言われているのが、3世代へのアプローチです。孫に関連する情報には敏感で、購買意欲を刺激しやすく、「3世代消費」という言葉もあるほど。3世代へのアプローチは、シニア層へ直接訴求するもの、例えば新聞広告など、毎日目にするであろう媒体の活用も効果的です。




 レジャー施設の成功事例と、ターゲット別の集客方法のヒントをご紹介しました。ぜひご参考いただき、来場客数の増加へとつなげていただければと思います。
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