2020年以降の景気はどうなる?
オリンピック前後の景気から考える観光客の集客

オリンピックによる経済効果が期待される2020年。しかし、それ以降の観光客の減少や経済効果の低減が懸念されていることも事実です。過去の開催国のデータから見ると、どのような未来が予想されるのでしょうか?今回は、2020年以降の景気や観光客の集客について見ていきましょう。

オリンピック前後の観光景気はどうなる?過去の開催国データから紐解く

東京オリンピック中の経済効果予測

まず初めに見ていきたいテーマが「経済効果」です。東京オリンピックでは「生産波及効果」として、全国で約32兆円、東京都で約20兆円がもたらされる、といわれています。このうち、オリンピック開催による直接投資や支出によって生じる「直接効果」は、全国で約5兆円、東京都で約3兆円です。

一方で、「長期にわたる、特にポジティブな影響」を意味する「オリンピック・レガシー効果」も見逃せません。この「オリンピック・レガシー効果」には、開催都市における各種施設やインフラの整備、スポーツ振興によってもたらされる経済効果が含まれるため、開催後の経済効果を示す一つのデータといえるでしょう。具体的な数値としては、全国で約27兆円、東京都で約17兆円といわれています。

オリンピック開催地の実質GDP成長率

過去のオリンピック開催地に目を向けて見ると、実質GDPの成長率は開催の翌年、翌々年で多くの場合プラスに転じています。

例えば、経済成長率が高い都市としては、1988年に開催されたソウルや、2008年に開催された北京が挙げられます。ソウルでは、開催1年後に+7.0%、開催2年後に+9.8%とポジティブな影響が継続しています。また、北京でも、開催1年後に+9.2%、開催2年後に+10.6%と成長傾向が見られました。

相対的に経済成長率が低い都市に目を向けても、+2~3%程度の成長率が見受けられます。1992年に開催されたバルセロナでは、開催1年後こそ-1.3%としていましたが、開催2年後には+2.3%とプラスに転じています。また、2012年のロンドンでは、開催1年後に+2.1%、開催2年後に+3.1%と、低調ながらもポジティブな傾向が見られました。

前回のオリンピック(2016年)が開かれたリオ・デジャネイロでも、開催年は-3.5%としたものの、開催1年後に+1.0%、開催2年後に+2.3%というように、レガシー効果によって一定の経済成長が生まれているとわかります。

そして、これらの成長率を紐解くと、「オリンピック開催が初めてかどうか」が影響していると見ることができます。

経済成長率が多かったといえるソウル・北京は、いずれも初めてオリンピックが開催された都市でした。そのため、競技場や都市インフラへの特別な投資が多かったこともあり、開催後の成長も維持されたものといえるでしょう。

しかしながら、イギリス(ロンドン)を始めとする先進国では、オリンピックのためのインフラ投資がそれほど必要なかったと予想されます。だからこそ、開催後の経済成長率が大きく伸びることはなかったのではないでしょうか。

では、過去にオリンピック開催経験のある日本の場合には、どのようなことが予想されるのでしょうか?

オリンピック前後の東京の実質GDP成長率予測

これまでの開催国のデータから推測すると、2020年の東京オリンピックでは、アトランタ(1996年)やロンドン(2012年)のような状況が予想されます。

実質GDPの成長率予測としては、開催1年前(2019年)が+1.0%とされていることに対して、開催年(2020年)・1年後(2021年)・2年後(2022年)は同様には+0.5%といわれています。数値だけを見ると、高い経済効果がもたらされている、とはいえないかもしれません。

しかし、実際の開発状況に目を向けて見ると、東京都内のみならず、大都市圏では様々な都市インフラの整備が進んでおり、経済的なインパクトが期待されることも事実です。例えば、山手線の新駅である「高輪ゲートウェイ」、日比谷線では「虎ノ門ヒルズ」が誕生し、駅周辺における産業の活性化や住居の新設も期待されています。大阪でも日本一の超高層ビルの開発が予定されており、それらの波及効果も期待されます。

2020年は「東京」でのプロモーションがカギ

東京に人・モノ・情報が集中する2020年。このタイミングが大きなチャンスであることは間違いありません。しかし、その後に経済成長が続くとは限らないからこそ、企業各社にとっては勝負のタイミングといえるでしょう。

こうした中では、東京を基点としたプロモーションの強化が、翌年以降の事業やマーケティングの成否を分けるといっても過言ではありません。2020年を逃すことなく観光プロモーションを強化し、国内外で高いプレゼンスを発揮できるような準備を整えましょう。

首都圏でのプロモーションに関してご検討の観光事業者様には、2020年の観光プロモーショントレンドや過去のプロモーション事例をご紹介致します。ぜひ、観光プロモーション実績が豊富な当社へお気軽にご相談下さい。

以下資料も合わせてダウンロードできます。

観光客・旅行者・生活者をもっと集める
アイデア事例集

ダウンロード(無料)

関連するお役立ちコラム