地域の価値を最適化!地域が行うべきマーケティング活動とは

東京一極集中、人口減少、少子高齢化などの課題解決のため、地方では戦略的な地域マーケティングの重要性が高まっています。そこで本記事では地域ブランディングの重要性と、創成に必要な3つの視点をご紹介します。

理想的な地域マーケティングのあり方とは

一過性のものではなく、持続可能な地域づくりが大事

 2014年、東京一極集中を是正し地方の人口減少に歯止めをかけるための政策として「地方創生」が掲げられました。地方都市では人口の過疎化や少子高齢化だけでなく、財務体制の弱体化も問題視されるようになりました。そこで地域へ住民や企業を呼び戻したり、観光客を増やしたり活性化させなくてはいけないと、地域マーケティングが注目されるようになりました。2019年をもって地方創生の第一フェーズは終了し、2020年から第二フェーズへと突入いたします。ここで明確に掲げられていることとして、「関係人口の増加」があります。移住した「定住人口」でも、観光に来た「交流人口」でもなく、地域と多様に関わる人々「関係人口」の増加が、各地域のミッションとなります。ここで重要なのが、戦略的な地域マーケティング」です。
 しかし、戦略的に地域マーケティングに取り組み成功している、といった事例は多くはありません。突発的に企画・実行し、改善点がつかめないまま終わってしまった…というケースも珍しくないのです。
 地域マーケティングは一過性のものではなく、持続して取り組んでいける地域づくりが重要です。

地域ブランディングの重要性

 前述の通り、東京一極集中、人口減少、少子高齢化などの課題解決のために、各地域で魅力発信のための取り組みがなされるようになりました。消費者のニーズや価値観は地域ごとに多様化しており、それに柔軟に対応するために地域間の競争が激化しています。地域ブランディングやPRの重要性が日々高まっているのはそのような背景があるからです。
 ここで、地域ブランディングについて簡単に述べていきます。地域ブランディングとは、地域そのものから生み出される独自の商品やサービスを発信し、ブランドとして認知してもらうための活動を意味します。地域ブランディングを構成する要素として、次のようなものが挙げられます。

 ▼地域ブランディングを構成する要素
 ・地場産業
 ・伝統
 ・文化
 ・地域内コミュニケーション
 ・価値観
 ・住民の行動
 ・移住者   
・特産品
・サービス  etc.

 「地場産業」や「伝統」など地域の企業、住民、移住者などが関連する要素と、「特産品」や「サービス」など消費者や観光客が関連する要素が含まれています。では、地域ブランドを確立させるためにはどのような視点から考えていけばいいのでしょうか。

(参考元:地域ブランディング成功のための5つのポイント|Innovaブログ) 

地域ブランド創成における3つの視点

ここでは、地域ブランドに必要な3つの視点についてみていきます。
地域ブランドは「消費者」「地域・住民」「商品」の3つの視点を要します。それぞれの理由は以下です。

(1)消費者の視点:地域への信頼や評価を高めるため
(2)地域・住民の視点:地域の魅力向上で人口増加や活性化につなげるため
(3)商品としての視点:付加価値を高め、独自性を強めるため

 では、3つの視点についてより詳しくご紹介します。

(1)消費者の視点

競争の激しい市場では、消費者からの信頼なくして生き残ることはできません。提供する商品、サービスの安全性を覆すような事態は避けましょう。例えば、飲食店での集団食中毒や、商品表示内容の詐称などが挙げられます。
このような事態が発生してしまった場合、関連する地域の観光や経済に悪い影響を与える可能性があります。生産者側の安全管理、品質管理の体制を整えることが求められます。農作物などの食品に限らず、企業体制にも同様のことが言えます。消費者の安心・安全を保証し、信頼を失わないようにすることが重要です。

(2)地域・住民の視点

2003年から2005年にかけ平成の大合併が実施されました。市町村合併に伴い、各地方自治体のパワーを強め、地域経済を活性化させようと言う狙いがありました。
ただ合併しただけでは地方自治体のパワーが強まるわけではなく、その地域の魅力や産業力を高めるための地域ブランドが必要となるのです。地域ブランド戦略に取り組むことで住民の関心を高める効果も期待できます。

(3)商品としての視点

 市場には低価格の商品が溢れています。「安い」が売りの商品に市場を奪われないようにするために商品の付加価値を高めることが必要です。付加価値とは、品質や、デザイン、製造・生産技術など、安い商品にはない差別化を図ることを指しています。
 これまでの地方経済には、安い労働力や土地といった特徴を活かし都市部より安い商品を生産する労働集約型のビジネスで成立していました。それを地域の魅力をプラスし、付加価値の高い商品を作るという「付加価値生産型」のビジネスへ転換することが求められています。

(参考元:なぜ地域ブランドが必要なのか|ブランド総研)

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